令和5年 新年のあいさつ
新年のあいさつ
新年あけましておめでとうございます。
令和五年が、町民の皆様にとりまして、昨年よりも災害の無い年となり、世界情勢の安定化と共に住み良い年になります様にと念願致します。
新型コロナウイルス感染症の第八波が猛威を振るいインフルエンザの流行も懸念される中、町民の皆様におかれましては、感染防止対策を徹底して頂き、新年を迎えることが出来ました事に感謝申し上げます。
本年の新型コロナウイルス感染症及び他の感染症対策では、これまでと同様に、マスクの着用や手指消毒、部屋の換気、人との距離を保ち密を避ける等、基本的な感染防止を徹底する他、オミクロン株対応の2価ワクチン及び、インフルエンザワクチンの接種を開始致しました事から、罹患防止や重症化防止を期待しているところであり、ワクチンの活用により、感染の少ない年となるよう願っております。
本年は、第六次総合計画・後期五箇年実施計画の三年目となりますが、引き続き新型コロナウイルス感染拡大に警戒をしつつ、各施策を力強く展開して参ります。
それでは、施策の推進にあたりまして重点的に取り組む五つの項目についてご説明致します。
重点的に進める五つの方向性について
一つ目は「産業の活性化について」であります。
令和五年は、新型コロナウイルス感染症、円安、世界の情勢不安などによる、疲弊した地域経済の回復を期待し各種事業を展開して参ります。
まず、収入保険加入の推進でありますが、自然災害等による減収や市場価格の下落、ケガや病気での収穫不能など農業者の経営努力では避けられない収入減少に対し、農業者等が自らリスク回避への備えをするもので、保険加入者一人につき、二箇年補助を実施することとし、被保険者が支払うべき残り50%の保険料のうち、掛け捨て部分の保険料と事務費の合計額に対して一年目に25%、二年目に15%を補助するものであります。この事により農畜産業の安定的な経営を図るものであります。
また、第一次産業の担い手を確保するために、令和五年度から町独自の新規就農者確保対策を実施したいと考えております。定着に必要な資金的な支援の他、アグリカレッジを開講し、学びの場と仲間づくりを進め、後継者の確保育成に努めて参ります。
町最大の財産であるにんにくに関しましては、令和五年度には、たっこにんにく生産開始から六十周年を迎えることに伴い、記念行事を実施するほか、たっこオリジナル品種の分譲価格を令和四年から令和六年の三箇年にわたり通常価格の半額で分譲し、町内外ににんにく導入六十周年を広く理解して頂くと共に、生産拡大に向けた支援を実施して参ります。
林業分野においては、三八地方森林組合に対し、「森林整備推進事業」を実施することにより、町内の民有林の保育や伐採・造林を進めて、森林に対する関心を高め、森林の整備と成長産業化を目指して参ります。また、長期的・安定的な林業の推進と森林所有者の意識啓蒙と利便性の向上のため、三八地方森林組合の職員を庁舎内に常駐して頂く事としております。
畜産分野においては、北里大学・三戸畜産農業協同組合との連携協定に基づき、畜産の振興と資源循環型農業の更なる推進に向けて、ET技術の可能性を検討・実証し、畜産カレッジの開催により肥育技術の向上や仲間づくりなど、具体的な取り組みを進めて参ります。
商工振興分野においては、地域経済の振興として令和三年度から実施している空き店舗等活用事業により、町内の空き店舗や既存の店舗等の改修支援を進め、事業者の意識向上やサービス向上を促進することにより、地元業者や商店街の魅力向上を推進致します。
好評を頂いている、家族のきずな便は継続して実施する事とし、絆で結ばれている家族とふるさとを確かめられる機会として活用を期待しております。
観光分野では、Takko Visitor Center(タツコ ビジター センター) みろく館の専用駐車場を整備し、観光客や町民など来訪者の利便性を高め利用を促進致します。また、近隣市町村と連携し、観光地や食・お土産など、観光情報をまとめ、より良い周遊コースを提案できるよう整備を進めて参ります。
にんにく三大イベントを始めとする各種イベントについては、コロナ等感染症対策を徹底しながら、お客様ニーズを考慮して、通常開催を基本に取り組んで参ります。多くのお客様には楽しんで頂き、賑わいの創出と町内産業の活性化を図って参ります。
6次産業化の推進につきましては、農産加工の技術向上とマーケティング調査、販路の拡大を目指して人材育成に努めて参ります。特に今年は、加工技術を充実させる事を目的に、冷凍装置を活用して、冷凍加工品の開発を進め、出荷調整や有利販売が出来る仕組みを構築致します。
二つ目は「田子町型地域共生社会の実現に向けて」であります。
本年は、地域共生ケアシステムがより機能を高め役割を果たす事が出来るよう、保健医療、地域福祉、子ども子育て、障害福祉、住民生活の各専門部会がそれぞれの課題に対して実証的取り組みを展開しながら、住み慣れた場所に生き生きと暮らし、サービスが必要な方に適切な対応を行い、住んで良かった、住み続けたいと感じて頂ける、田子町型地域共生社会の実現に向け取り組んで参ります。
三つ目は「町内3小学校の統合について」であります。
本年四月から清水頭小学校、上郷小学校を田子小学校に統合し、新たな田子小学校としてスタート致します。昨年、田子町立小学校統合準備委員会において、統合に向けての、課題の整理や協議・検討を進めて参りましたが、児童の通学に関する配慮や環境の変化に対応する心のケアなどへ対応するため、スクールバスの運行見直しや特別支援教育支援員の継続した配置、総合学習での清水頭や上郷地区への協力依頼など、地元学、地域学を推進し、児童の教育環境の充実に努めて参ります。
また、南部信直公・利直公の時代から脈々と受け継がれている「田子神楽」の保存・伝承に努め、後継者育成、芸術・文化活動を奨励し、郷土愛の醸成を図って参ります。
四つ目は「防災・減災について」であります。
昨年八月の大雨災害では、線状降水帯の発生により、西津軽方面で多大な被害をもたらしました。
この事は、我が町においても、同様の災害が発生しうる事を意味しており、これまで以上に防災・減災に備える必要を感じております。
行政と致しましては、国土交通省、青森河川国道事務所長、青森県県土整備部長、青森県気象台長とのホットライン、自衛隊及び八戸広域消防本部への出動要請など、適時適切な連絡体制を確認し、対応致します。また、住民の皆様には、配布しております防災マップにおけるハザードマップの確認や、地域防災マップの作成を通じて、身近な危険箇所の確認や避難経路、要配慮者の存在の確認や避難及び救出のイメージづくりなどをお願い致します。
また、消防体制の充実強化につきましては、第六分団の消防車両を購入・配備するほか、消防団員の確保対策として、処遇改善や積極的な募集活動に努めて参ります。また、備蓄品や災害調査用ドローンなど、各種資材等の運用を想定した訓練や研修を進め、これまでに育成した防災士と自主防災組織との連携を図りながら防災活動や地域活動の充実を図って参ります。
五つ目は「その他の取り組みについて」であります。
心と体の健康につきましては、町民誰もが、元気で充実した毎日を送ることができるよう、心と体の両面での継続した健康づくりが重要であります。
心の健康づくりでは、より良いコミュニケーションを心がける事、生きがいづくりと笑顔づくりを心がける事が大切であります。本年は、これまでコロナ禍によって活動を自粛していた、地域ふれあいサロンの活動や文化活動を奨励・推進して参ります。
体の健康づくりでは、疾病の早期発見・早期治療が重要であるため、特定健診や各種がん検診等を勧め、特定健診受診率65%を目標に取り組み、体を動かす習慣づくりとして、ラジオ体操や町民グラウンドを活用してのナイトウォーク、各種スポーツ活動を推進致します。
また、新型コロナウイルス、インフルエンザ、高齢者肺炎球菌、風しん等の予防接種については罹患防止、重症化防止のため、感染症状や効果などの周知に努めて参ります。
交通安全に関しましては、昨年、一般の歩行者及び児童生徒の安全と交通事故防止の啓蒙のため、青森県では初めてとなる「ゾーン30プラス」を整備したほか、交通死亡事故ゼロ三千日を達成しました。町民の皆様、交通指導隊をはじめ、関係団体等の日頃の取り組みの成果であると感じており、感謝申し上げます。
本年は「交通死亡事故ゼロ三六九〇(みろく)日」を達成する年となるため、町民、関係団体、行政が一丸となって目標達成に向けて取り組んで参りたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。
世紀越えトンネルの整備促進については、青森県新広域道路交通計画において八戸鹿角圏域間として当路線が掲載され、構想案として認知されたことは大きな成果であります。また昨年には、本バイパスルートの整備効果や期待される効果について、最新のデータを反映したものと致しましたので、関係部署並びに関係自治体と共に、早期実現に向け要望活動を展開して参ります。
以上、重点的な取り組みと主な方向性についてご紹介致しました。詳細については、自治会総会などでご紹介する、令和五年度町が取り組む予定の主な事業や、令和五年度版まちの仕事帳をご参照願います。
本年も、役場は町民の役に立つ場所として、利便性を高め、効率化を図りながら、気軽にお越しいただけるように職員共々取り組んで参りますので、よろしくお願い申し上げ、令和五年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。
令和五年一月
田子町長 山 本 晴 美