当職に就任し、2期6年目を迎えました。就任以来、町民の皆様、そして正副議長をはじめ議員各位のお陰様をもちまして、日々町政運営にあたらせて頂いております事に、まずもって衷心より厚くお礼申し上げます。
今後も、各般に亘る政策の実行・実現に向け最大限の努力を傾けつつ、安定し持続性のある行政運営と、不安要素を一つ一つ取り除き、安心して生活出来るまちづくりに、そして、将来に向け、更に生き甲斐とやり甲斐に満ちた町民活動が展開される様、行政力の向上と政策の推進に、まい進していく所存であります。今後に於きましても、ご理解ご協力をお願い致します。

 

 

財政状況について

 さて、始めに本町の財政状況及び平成29年度当初予算の編成についてでありますが、これまでの継続した財政健全化の取り組みにより、町債残高を縮減し、懸案であった実質公債費比率も平成27年度決算では、9.8%まで改善しておりますが、一方で、普通交付税の減少による影響は大きく、歳入一般財源は年々減少傾向と見込んでおり、今後においても厳しい財政運営が続くことが想定されます。
従って、限られた財源の中で田子町総合計画などの上位計画や各般にわたる政策方針に基づき施策展開をより一層計画的・効率的に取り組む必要があります。
このため引き続き、内部管理経費の削減や普通建設事業の平準化を図るとともに、町税収入等の自主財源の確保に努め、体力に見合った財政基盤作りと簡素で効率的な行財政運営の実現に向けて、全庁一丸となり取り組んで参ります。
  こうした財政状況を踏まえ、平成29年度の財政運営は、前例踏襲という固定概念から脱却し、中長期的な視点を持ちながら創意工夫に努め、事業の選択と集中の徹底、将来的な影響を考慮しながら財政調整基金など基金の繰入について調整を行い、最小経費による最大効果の実現を目標としたところであります。

 

総合計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略について

 平成29年度は、10年間のまちづくりの指針である「第6次田子町総合計画」の2年目の年となります。
「ひとが輝き まちが輝く 活力と笑顔あふれるまち」を町の将来像に掲げ、全ての人がやさしく、一人ひとりが輝き、「住んでよかった」「住み続けたい」と思える魅力ある「ふるさと田子」を議会及び町民の皆様と共に創造できるよう、その実現に向けて各事業を展開して参ります。
また、平成27年度に策定しました田子町まち・ひと・しごと創生総合戦略は3年目となりますが、第6次総合計画の前期5カ年計画と整合性を図りながら、人口減少の克服や雇用も含めた地域・経済の活性化に主眼を置き、計画、実施、検証、改善の手法で事業を推進して参ります。
特に、平成29年度は、若者を中心とした定住対策、子育て支援及び農林畜産業の振興、起業・創業促進、観光交流促進などを重点課題とし、最大限の予算措置を講じたところであります。

 それでは、平成29年度施策の概要について、新たに着手する事務事業並びに特に重点を置いて実施する事業について、4つの項目で申し述べさせて頂きます。


・【地域力の強化について】
1つ目は地域力の強化についてであります。
「明るく朗らかに、仲良く支え合い、喜んで働き、活力のある人々のまち」を目指し、取り組みを進めている、「住みよい地域づくり」「安全安心な地域づくり」「豊かな地域づくり」「健康な地域づくり」を柱とした4つの町民運動を、更に推進する為に、協働の町づくりの指針に基づき各種事業の展開と連携の強化を図って参りたいと考えております。
それでは、4つの町民運動推進のための主な取り組みでありますが、始めに「住みよい地域づくり」について申し上げます。

~住みよい地域づくり~
具体的には、地域見守りネットワークの重層化を進めるべく、地域団体や事業所などとの連携を図るために、定期的な情報交換や情報の共有をしながら見守り協定の締結を進めていきます。
また、高齢者の生きがいづくりや居場所づくりを推進するため、ふれあいサロンへの助成の他、生活支援コーディネーターによる、地域住民が主体となり運営できる集いの場を、より多くの地区で開催できるよう支援して参ります。
そして、生活上の支援が必要な高齢者や障がい者、子どもたちを守り支援していく為、多くの人たちによって見守っていく仕組みづくりを検討し、地域包括ケアシステムの構築を推進して参ります。
さらに、自治会連合会を通じて実施する冬場の高齢者世帯等除雪支援の助成回数を今年から拡充するなど、自治会活動を支援する事により地域力の強化・住みよい地域づくりを実現して行きたいと考えております。
 
~安心安全な地域づくり~
次に、「安全安心な地域づくり」について申し上げます。
明るいまちづくりと犯罪を防止するために、平成24年度から実施してきた防犯灯のLED化整備は、平成29年度で完了する見込みとなりました。完了後は、防犯活動や交通事故防止活動など自治会や関係団体と共に、取り組んで参ります。
 
さらに、安全安心な地域づくりのためには、助け合い、支え合う、地域の総合的な消防防災体制が必要であります。一人ひとりが無事に避難し、互いに助け合い、確かな情報を受発信できる「自主防災組織」の結成を推し進めるため、自治会総会等の様々な場面で、職員による説明会を行って参ります。
平成29年度は、特に町災害対策本部や消防団、常備消防機関との情報共有、連携強化を目指した防災訓練を実施します。
   
~健康な地域づくり~
続いて、「健康な地域づくり」についてであります。
平成29年度は、特定健診受診率62%の達成に向けて、保健推進員や健やか隊員と連携し、生活習慣の改善や病気の早期発見の大切さを、それぞれの地域や町のイベントを通して強く呼びかけ、特定健診受診率の達成と受診後の保健指導を強化します。
具体的には、健診初回者の自己負担の無料化や、40歳になった町民全員に大腸がん検査キットを無料配布するなど、新規受診者を拡大するための対策を実施致します。
一方、働き盛り世代の方が普段感じている健康への関心を職場の中からも高められるよう、町内の企業へ血圧計などの器具を貸し出し、健康意識の啓蒙を図ります。

~豊かな地域づくり~
最後に「豊かな地域づくり」についてでありますが、この町民運動は、次に申し上げる2つ目の「産業力の強化」と一体である為、産業力の強化としてご説明致します。

・【産業力の強化について】
 産業力の強化については、農業と商工業・観光の各分野毎に申し上げます。
まず始めに農業についてでありますが、本年1月から3月上旬までの農閑期において、農業者の方々を対象として、当町の主要作物である水稲、葉たばこ、にんにくなど、計8つの品目毎に意見交換会を開催し、地域農業が抱える問題や課題等について、様々な意見等を伺ったところであります。
今後は品目別に意見等を集約し、認定農業者の方々を始め、多くの農業者及び農業関係団体等と連携を図りながら農業施策の展開に向け、協議を進めて参ります。

 それでは、農業振興、にんにく振興、6次産業化について申し上げ、続いて林業振興、畜産振興の順に申し上げます。

~農業振興~
農業振興事業につきましては、水田農業経営の安定と共に、有利販売に向けた生産方法や体験型農業による付加価値化を研究・検証するほか、田子町栽培曆を活用して頂き、計画栽培と販路拡大、新作物の導入や加工・商品開発へ向け展開を図ります。
また、生産力強化、作業効率の向上の為、農業用機械やパイプハウスの設備導入支援を行います。
 
遊休農地・耕作放棄地対策は喫緊の課題で有ります。増加傾向にある遊休農地・耕作放棄地の再活用を促し、優良農地の維持保全に努めます。
そして、担い手農業者等による規模拡大を推進しながら、輪作体系の検討や適地適作の観点から農業土地利用計画を検討し、推奨作物の選定や集落営農の可能性について研究します。
 
特に農業担い手対策については、認定農業者の認定者数を増やし、地域別、品目別の検討会、情報共有を図りつつ、安定した所得と田子町ならではの品質と生産量を確保出来る様取り組みます。
また、優れた経営感覚、栽培技術を身につけた新規就農者の育成にも関わって頂き、後継者の育成・確保にも力を注いで参ります。

~にんにく振興~
にんにく振興につきましては、優良種子の確保と安定供給、他産地との差別化を図るため、町管理の圃場においてオリジナル品種を増殖しております。
この「オリジナル品種」は、平成29年産を分譲できる様、増殖検討委員会において、増殖及び供給体制等について協議を重ねております。
現在、田子にんにくは、全国的なブランドとして国産にんにくの需要の高まりから高値が続き、さらに近年では「黒にんにく」の人気から農家にとっては追い風となっている反面、田子にんにくそのものが不足し、関連産業の経営に大きな負担となっていると言われております。
今年は、田子町が昭和37年に「福地ホワイト」を導入してから55年を迎えるとともに、地域団体商標「たっこにんにく」は八戸農協に於いて更新登録が行われました。
これまでの歩みを振り返ると共に、新たなスタートとして生産者や加工業者、販売業者が互いに連携し、ブランド価値を守りつつ協力できる環境整備を更に充実して行きたいと考えております。

~6次産業化~
このほか、農産物の消費拡大に向けた6次産業化への取り組みについては、引き続き農産物美人(べつぴん)華(か)プロジェクト委員会を中心に、6次産業化に対する機運を高めながら、農業の可能性や産業の育成、その連携のあり方など、田子町ならではの6次産業化を目指して参ります。

 また、地域の活性化を図るため、その拠点となる道の駅機能をもった販売施設や加工施設の整備について、新たな推進室及び検討委員会を設置し、産業振興、集客交流、地域づくりなど様々な視点で検討を進めて参ります。

~林業振興~
林業振興については、国・県をはじめ、三八地方森林組合や町林業再生協議会との連携をさらに深め、継続的な事業を展開していくほか、昨年設置した森林資源活用検討委員会により、森林資源の複合的な利活用の促進や新たな産業として事業化できる可能性など、町の森林資源の掘りおこしを行って参ります。

~畜産振興~
畜産振興については、田子牛を安定的に供給し、産地力を強化していくため町内繁殖肥育農家や酪農農家の方への支援を行い、増頭及び品質向上、経営規模の拡大につなげて参ります。
また、担い手対策として、将来を担う若手農家が様々な技術を習得する場所としてETセンターを活用し、畜産カレッジ事業を通して畜産経営指導を行い、後継者育成と産地力の向上に取り組みます。
このほか、畜産農家全体の現状把握に努めると共に、畜産業の施設・機械整備や経営技術の確立に向けた支援のほか、防疫・衛生対策の強化など経営安定基盤の充実を図って参ります。
 
~商工振興~
次に商工業の振興について申し上げます。
地域経済の振興や地域活力の向上を図るため、次の2つの施策を重点的に取り組んで参ります。

 一つ目は、町内事業者の第2次創業、Iターン・Uターン者による町内での創業を目指し、知識や技術、経営ノウハウを習得するための「創業実践塾」を開設し支援します。
合わせて、創業ニーズに合わせた企業での研修などの機会を提供する仕組みをつくり、確かな創業へ向けての支援を行って参ります。
また、新規事業として、町内の空き地や空き店舗を活用したチャレンジショップ運営事業も事業化し、スムーズな創業を誘導できる仕組みを構築して参ります。

 二つ目として、催事、展示会、商談等への参加を誘導し販路拡大を図ると共に、田子町の物産のブランド力強化、ブラッシュアップを展開していきます。
具体的には、経営マーケティングセミナーや個別指導により知識・手法を習得して頂くと共に、出展経費の一部を補助する事業を実施致します。

 また、商店街などが実施する事業に対する支援策として、町商店街活性化事業を拡充・実施し、商店街の賑わいづくりや活気づくりをサポートして参ります。
 
~観光振興~
次は観光についてであります。
観光リピーター率が高いと言われる「食」を観光資源の柱に据え、本年3月29日にリニューアル販売となる「田子ニンニクガーリックステーキごはん」の普及に努めて参ります。
また、我が町及び周辺の美しい景観を自転車で体験して頂く、田子ツーリズムが春と秋に開催される予定となっており、町としても全面的に支援して参りたいと考えております。
これらを通じ、交流人口の増大、地域経済の発展を目指しつつ、お客様へのおもてなしや町内での有意義な時間の過ごし方の提案が出来る様、商工会及び町内の商店との協議を進めて参ります。

 

・【教育について】

 3つ目は教育についてであります。
学校・家庭・地域が連携して子どもの心豊かで確かな学力と健やかな成長を育み、郷土の自然・歴史・文化・人財を再評価し、地域資源を活かしながら様々な交流を通じて「共に学び夢と絆を育む町」を基本目標として様々な施策を実施して参ります。

 主なものとしては、障害を持つ子どものサポートや確かな学力を育むために、小・中学校へ「特別支援教育支援員」を配置しておりますが、平成29年度は、清水頭小学校へ1名を増員し、町内での均一な教育環境の実現と子供の個性に応じた教育指導を充実します。
また、「田子町学びのアドバイザー」事業を新設し、子どもたちの学力向上はもとより、教員の指導力向上や授業力の向上など教育環境の充実を図ります。

 次に、教育施設等の整備につきましては、田子小学校のグラウンド改修事業や清水頭小学校の校舎改修などを実施し、のびのびと安全に学べる環境づくりに努めます。
また、平成29年度は田子中学校が創立70周年を迎えます。記念式典及び祝賀会などが企画されておりますので、これら記念事業に対して支援を行って参ります。
田子高校への支援としては、郷土芸能部の活動支援として、東京神楽坂公演への支援を行うと共に、中高一貫教育の充実や学力向上への支援、入学祝い金支給、医療費助成など、総合的な支援を行って参ります。

 さらに、教育に関する現状の課題と将来に向けた環境整備の為、「次代の子どもの教育環境を考える懇話会」を「総合教育会議」のワーキンググループとして位置づけ、子供達の健やかな育成とふさわしい環境整備に努めて参ります。

 生涯学習の観点からは、町民の心豊かな生活を実現する為、スポーツや体を動かす習慣作りを企画し、各種公民館事業・教養講座などを開催して参ります。主なものでは、チャレンジデー2017、新発見町内健康ウォーキング、ひとくるめゃ文化祭、町民運動会、地域力創造事業などであります。

・【その他について】

~定住移住促進~
最後にその他の取り組みについてであります。
「住んでよかった」「住み続けたい」と思えるまちを目指す中で、意欲的にがんばっている若者世代や子育て世代に対し支援を行い、町外からの体験者や移住者に対して豊かな自然環境や住みやすい住環境を紹介しながら、あたたかなおもてなし等を通して定住移住を推進し、田子町の人口構成比率を改善して行きたいと考えております。
平成28年度は、民間事業者が行う若者定住移住促進のための、アパートや住宅整備への10年間の助成事業を行っておりますが、平成29年度は、合併浄化槽設置への助成を新たに実施するなど、定住の拠点整備をさらに強化して参ります。
 
~日本で最も美しい村~
一昨年に加盟した「日本で最も美しい村連合」での取り組みは、県境産廃不法投棄事案の教訓を生活の中で生かし、後世へ伝えるという目的があります。この目的に向けては資源物の分別によるごみの減量化や河川などの清掃による環境美化活動などにより、自信と誇りに満ちた美しい町へ向けて、一つに心を合わせ取り組んで参ります。
 
~道路整備~
道路整備については、宮野獅々内線他4路線を継続事業で実施致します。なお、宮野獅々内線の橋梁については、現在通行止めとしておりますが、架け替えに向けて調査を実施致します。
道路維持補修関係では、今後ますます道路施設等の老朽化が課題となりますが、計画的・効果的に取り組み、安全な道路環境の維持に努めます。

~高齢者運転免許返納~
なお、高齢者の方などが原因となる交通事故の防止のため、高齢者などが運転免許を自主返納し運転経歴証明書の交付を受けた場合に、田子スタンプ会やタクシー会社の協力により、商品券の支給などの助成をすることを予定しております。
 
~簡水統合整備~
また、簡水統合整備事業について申し上げますと、平成29年度は、新田地区と遠瀬地区の配水管整備及び花木地区の導水管整備に着手する事としております。
 
~世紀越えトンネル~
仮称世紀越えトンネルにつきましては、これまで四半世紀にわたり運動を展開して参りました。
昨年は、田子町、鹿角市で事業化促進に向けてのフォーラムを開催し、これまで以上に多くの方の理解が得られたものと思っております。
また、12月には鹿角市でも大型の啓発看板を設置したと伺っております。昨年の両市町でのフォーラムを契機として、さらに事業化への機運が高まってきたものと感じております。
今後においては、議会並びに町民一丸となり早期事業化に向けてなお一層取り組んで参ります。
 
~町制施行90周年~
さらに、平成30年度は町制施行90周年の節目の年であることから、平成29年度にはそれに向けての企画立案と準備を行います。先人の方々への感謝とともに、様々な記念イベントを通して「誰もが町に誇りと愛着を持ち、町民と行政が一体感を持った記念事業」を目指して参りますので、ご協力をお願い致します。 
 
~診療所・老健・訪問看護~
田子診療所では、外来診療のほか訪問診察などの在宅医療をはじめ、整形外科などの専門的な医療の提供を継続するなど安定した医療体制に努めると共に、最新の検査機器の更新などをし、的確な診断のもと、病気の早期治療と健康回復に努めて参ります。
また、三戸中央病院や町内の開業医などとも連携を図りながら、地域医療の充実に向けて努めて参ります。
「老健たっこ」では、施設での介護を必要とする高齢者の方々に、リハビリテーションや介護・食事・入浴など総合的なケアサービスを提供して、在宅復帰に向けて支援しており、今後も介護職員の確保に努めながら、入所者の確保と家族の方々の負担軽減が図られるよう努めて参ります。
訪問看護ステーションでは、在宅での療養を必要とする方々のため、看護師を配置し24時間体制で対応にあたっております。これからも在宅での療養や家族などからの相談などに対し、安心して利用できるように努めて参ります。


以上 、平成29年度の主な取り組みについてご紹介致しました。
本年度も「役場は町民の役に立つ場所」である事、「通いやすく、親しまれる役場」となる様、職員一同日々再確認しながら職務に励んで参ります。
町民の皆さまのご理解と一層のご支援をお願い申し上げます。

 

         田子町長 山 本 晴 美