新年明けましておめでとうございます。
 町民の皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。皆様にはコロナ対策を始め各般にわたり、町政へのご理解、ご協力を賜り心より感謝申し上げます。

 令和2年を振り返ってみますと、新型コロナウイルスが猛威を振るい、昨年12月27日現在で、世界の感染者は8千万人、日本では22万人にのぼり、全世界に多大な影響を及ぼし、経済活動の鈍化、医療崩壊への強い懸念を引き起こしております。

 このような中、当町では「田子町に持ち込まない、持ち込ませない」「子どもと高齢者を守る」を基本方針に、不要不急の外出自粛など様々な感染防止策を町民の皆様にお願いしてきたところであります。現在の対応としては、町民の皆様の県をまたぐ移動や帰省に関して「正しく恐れ、正しく対応する」ことで、町民活動を支援するよう努めております。町民の皆様には、町の方針へのご理解と充分なご協力をいただき、お陰様で感染が疑われる事例は発生しておりません。心から感謝申し上げます。
 また、新型コロナウイルス感染症は、町のイベントや行事を中止したり、規模を縮小して実施するなど、町の経済にも大きな影響を及ぼしました。そのため「商工業者への支援」、「地域活性化支援」、「大学生等への支援」、「家族のきずな便」、「新たな生活習慣の構築」などを実施し対応して参りました。更には、感染防護のための備品の充実や、自然災害等の被災時の備蓄品に感染対策を加え、防災・危機管理対応に感染症対策を強く意識した年となったと考えております。

 次に、令和3年において、推進して参りたいと考えている三つの基本政策及び八つの重点施策についてご説明申し上げます。

三つの基本政策について

 基本政策の一つ目は【新型コロナウイルスへの対応】であります。
 本年の新型コロナウイルス感染症に関しては、全国的な感染の推移や国・県の動向を注視しながら、町の方針である「田子町に持ち込まない、持ち込ませない」「子どもと高齢者を守る」という方針を堅持しながら、「正しく恐れ、正しく対応する」ことを町民の皆様とともに実践し感染防止に努めて参ります。また、ワクチンや治療薬の利用が可能となった場合は、適切に対応を進め、一日も早い終息を切望いたします。

 

 二つ目は【総合戦略・人口ビジョンの展開】であります。
 日本の人口減少は、今後、加速度的に進行することが予想されており、我が町においても、2060年には1480人に減少すると推計されております。社会経済に大きな影響を及ぼす人口減少を緩和あるいは克服するため、当町では人口の中長期展望を示した田子町長期人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生田子町総合戦略を策定し、各種事業を展開しております。
 昨年3月には、直近の人口動向などを踏まえ長期人口ビジョンを改訂し、新たな将来展望とともに、具体的な対策に係る施策について、数値目標や方向性を記載した実施計画として、第2期まち・ひと・しごと創生田子町総合戦略を策定いたしました。
 本年は単年度毎の数値目標の達成に向けて、実績を評価・検証し、見直しを図りながら各分野の施策に取り組んで参ります。 

 

 三つ目は【田子町型地域共生社会の実現】であります。
 青森県が実施している、青森県型地域共生社会の実現を基本として、当町の実情に応じた田子町型地域共生社会の展開を推進します。地域共生社会とは、「全ての町民が、住み慣れた地域で生まれ育ち、互いに支え合い、地域で安全・安心に暮らし、老後を迎えることができる社会」であり、重層的な見守りの推進と自分発信による見守りネットワーク体制の強化、町内産業活性化と参画を促し、多様な所得の機会を生み出し、各分野の担い手育成のため地域の方々とともに学び育む環境を整え、一人ひとりが生きがいとやりがいに満ち、笑顔あふれる生活を送ることができる仕組みを構築するスタートの年としたいと考えております。
 そのためには、あらゆる部門が横断的に連携し、生活環境、産業振興、健康福祉などを、多様な視点から推進しながら、各課と町内の事業者との連携を促し、課題解決に取り組む「田子町型地域共生ケアシステム」を立ち上げ取り組んで参ります。

八つの重点施策について

 次に、八つの重点施策を申し上げます。

 

 一つ目は【心と体の健康増進】であります。
 町民誰もが、元気で充実した毎日が送れることが出来るよう、心と体の両面からの継続した健康づくりを実施していくことが重要であります。
 心の健康づくりには、より良いコミュケーションと感銘や感動を得ることが重要であります。また、一人で悩まず誰かに相談できるように、保健・医療・福祉・教育・産業など多方面の連携をもって、包括的支援体制を強化し、個別の課題解決に努め自殺予防を推進して参ります。
  体の健康づくりでは、国保特定健診の受診率65%越えを目標に掲げ、健診の意義と重要性の理解を促し、自分の体の状態を正しく把握することで健康の見える化を図って参ります。また、生活習慣の改善と生活習慣病重症化予防への取り組みや、体力及び機能の低下を防ぐロコモ対策・低栄養対策を推進し、元気に町民活動を継続するとともに、健康寿命延伸を目指して参ります。

 
 二つ目は【産業振興】であります。
 産地間の競争が激化する中で、当町では、他産地よりも優位な販売を行い、産地として力強く存続していくために、大学等との共同研究を行って参りました。
 本年は、更なる連携協定などにより、新たな大学や企業、研究機関などと協力関係を築き、にんにくの他、畜産や野菜、後継者の確保や農業経営に関する方向性、産業のクラスター化など諸課題に対応し、田子町の産業の活性化を図って参ります。
 また、すべての方々が町内産業へ「生きがい」と「やりがい」を持って参画できる仕組みが重要であり、農業や畜産業、林業などへの参画や生産加工にチャレンジできる仕組みとともに、農地活用、農地保全などを地域で守っていく社会の可能性について調査検討を推進して参ります。
 更に本年は、高齢化と人口減少による課題として、人手不足に対応した中間体の検討・育成を行うこととしております。
 一例として、にんにくなどでは、生産から出荷までを家族農業で完結していたところでありますが、労働力不足から一次乾燥や皮むきなどができなくなってきている事例が散見されることから、生産から販売につなげていく役目としての、「中間体」という存在が必要となってきております。
 この中間体はにんにくだけでなく、そのほかの作物や二次・三次産業などでも必要性が高まってきており、田子町の産業を支え存続させる重要な仕組みとして検討・育成を図って参ります。

 
 三つ目は【関係人口、交流人口の増大】であります。
 田子町の観光資源等を有効利用し、県境という立地条件からメリットを引き出すために、観光コンテンツの連携・ルート化など、近隣市町村と広域的な連携をしながら、滞在型、体験型、魅力発見型の取り組みを進めることが大切であると考えます。関係人口、交流人口の増加は、町内のあらゆる産業に活性化をもたらし、産する町から、産し交流できる町への移行は、町の存続に関して重要な要素であるため、大黒森の体験交流施設を始めとする町内の交流施設を活用し、民泊農泊に繋がるイベントや農業体験、企業等の研修や保養、合宿などを選択肢として、町や広域でのイベントと連動した滞在型の観光機能の充実を図ることで、関係人口、交流人口の増大に努めて参ります。

 
 四つ目は【地元学、地域学の展開】であります。
 子ども達が、地域の大人達からの様々な分野での指導や交流を通じて、ふるさとを体感し、力強く生き抜く力を獲得することは重要な教育の要素であります。また、大人にとっても、子ども達への指導・交流を通じて活動が充実され、田子町の良さを再確認できるものと感じます。
 一例を申し上げますと、田子小学校の田子神楽、上郷小学校の石亀神楽、清水頭小学校のナニャドヤラの習得や、南部信直公・利直公の時代から脈々と受け継がれてきている「田子神楽」の保存・伝承に努めながら、その時代の功績を学ぶ歴史講座、田子城があった当時の様子を再現する「歴史の窓風景画」作成、盛岡市櫻山神社における「田子神楽奉納」等、過去と現在を結び、歴史と文化を身近に感じられる仕組みを構築し、町民の誇り・精神的バックボーンを育む取り組みなどが挙げられます。これらを始め、産業や福祉などの各分野においても可能性を検討し展開して参ります。

 

 五つ目は【交通安全・交通死亡事故ゼロ継続】であります。
 昨年の10月24日には、町内での交通死亡事故ゼロ7年を達成することができました。この記録を達成するために、日頃から交通指導隊や交通安全協会及び母の会を始め、町民の皆様の努力に感謝申し上げます。
 本年におきましても、引き続き、交通事故防止に努めながら、交通死亡事故ゼロ、3690(みろく)日に向けて普及啓蒙を行って参ります。

 

 六つ目は【防災・危機管理体制の強化】であります。
 近年、台風等による大雨が相次ぎ、当町においても土砂災害警戒情報が発表されるなど、いつ大きな災害が起きても不思議ではない状況となっております。また、発生した場合、広域化・激甚化が懸念される状況であり、地震や風水害などの自然災害から、生命と財産を守り、互いに助け合い、被害を最小限に留めるため、町内全ての自治会での自主防災組織結成を目指すとともに、研修会や各訓練等を通じ更なる地域防災力の向上に取り組んで参ります。
 また、昨年は、自然災害等の避難所運営における、新型コロナウイルス感染症防護のための備蓄品等も整備し、防災・危機管理対応においても、感染症対策を強く意識しました。今後、感染対策も含めた避難所運営訓練を町民とともに行うなど、防災・危機管理体制の更なる強化を図って参ります。

 

 七つ目は【広域連携の推進】であります。
 広域連携の推進については、町の各種事務事業を主体としながらも、八戸都市圏スクラム8の各種事業を活用して、広域的課題解決や当町の事業推進に努めて参ります。
 また、岩手・秋田・青森県境での交流と連携推進については、環十和田湖ゲートウェイ構想や近隣市町村の振興計画との整合性を図り、観光、文化、産業など各分野での関係人口、交流人口の増大をもって、地域の活性化に取り組んで参ります。

 

 八つ目は【世紀越えトンネルの実現について】であります。
 夏坂と大湯を結ぶ仮称世紀越えトンネルの事業化の促進について、本年は、議会や関係市町村と協力しながら、事業実施の具現化・加速化に向けて、国・県に対する要望活動に継続して取り組んで参ります。なお、青森県側のトンネル坑口までの未整備区間について路線調査を行い、実現に向けた資料を整備して参ります。

 

 以上、主なものについてご紹介いたしました。

 本年は、第6次総合計画の折り返しとなる、後期5カ年計画の一年目となります。
 「ひとが輝きまちが輝く 活力と笑顔あふれる町」の実現に向け取り組んで参りますので、町民の皆様のより一層のご理解とご参画をお願い申し上げますとともに、町民皆様の「健康で幸多い年」となりますようご祈念申し上げ、新年のあいさつといたします。

  

         令和3年1月  田子町長 山 本 晴 美