当職に就任し、8年目を迎えました。就任以来、議員各位をはじめ町民の皆様から、温かいご支援と共に適時適切なご指摘やご助言などを賜り、日々町政運営にあたらせて頂いております事に、衷心より厚くお礼申し上げます。
今後も、掲げた公約の実行・実現に向け最大限の努力を傾けつつ、安定し持続性のある行政運営と、不安要素を一つ一つ取り除き、安心して生活出来るまちづくりに、そして、将来に向け、更に生き甲斐とやり甲斐に満ちた町民活動が展開される様、各般にわたる行政力の向上と政策の推進に、まい進していく所存でありますので、今後に於きましても、ご理解ご協力をお願い致します。

  平成31年度は、10年間のまちづくりの指針である「第6次田子町総合計画」の4年目の年となります。「ひとが輝き まちが輝く 活力と笑顔あふれるまち」を町の将来像に掲げ、全ての人がやさしく、一人ひとりが輝き、「住んでよかった」「住み続けたい」と思える魅力ある「ふるさと田子」の創造を、議会及び町民の皆様と共に目指し、その実現に向けた各事業を展開して参ります。
  また、急速な少子高齢化・人口減少に歯止めをかけると共に、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成を目指して策定した「田子町まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、今年が5年目の最終年となることから、第1期の総仕上げを目指すと共に、必要な調査、分析を行い、次期「総合戦略」の策定に向けた準備を進めて行きます。なお、地方版総合戦略の策定にあたっては、国の戦略を勘案して策定することになっていることから、国の動向に注視して取り組んで参ります。 

産業振興関連について

 産業振興につきましては、上位計画である「総合計画」を基本に、5年間の産業と定住移住子育て支援による人口構成比率の改善を目指した「総合戦略」並びに、平成30年3月に策定した、6次化のプロセスで取り組むべき「田子町6次産業化推進戦略」に沿って取り組んで参ります。
  少子高齢化の進展により、持続可能な産業へ向けての取り組みは喫緊かつ重大な課題であります。特に、我が町の基幹産業である農業を持続し、発展させていくためには、目標の共有と生産と販売を意識した品質の標準化による農業生産物のニーズを高め消費者との交流を進めて行く事が重要であり、生産に於いては肥培管理の充実と共に、グループ化・法人化・集落営農化により、当町の経済面積をフル活用した生産活動が行われる事を考慮した取り組みの推進が重要であります。 また、加工及び販売を含む二次・三次産業に於いては、地元の産品を活用し一次産業と連携した、高付加価値の商品や人気商品の創出、町或いは企業間の相互連携による、効果的なプロモーションと高い満足感を得られる提案を行う必要があります。
  インバウンド対応や定住移住策の推進、或いは事業の後継者、各家庭・地域の後継者獲得のためにも、活力に満ちた産業、自信と誇りを持って伝えることが出来る仕事は必要不可欠である事から、本年度は、試行・研究・創出を更に充実させ、意識の醸成と実現化に向け着実に取り組んで参ります。
  農業振興では、遊休農地の活用を図りながら、系統販売に加え、販路の拡大や新たな需要を引き出す為のマーケティング調査や新たな作物の導入・栽培計画の充実を推進するため、町内農家の方々とのコミュニケーションの充実を図ります。
田子にんにくの戦略的な展開については、生産面積の増加を目指しながら、病害虫対策と品質向上対策を推進して参ります。美六姫については品種特性を把握し、農家の皆様と共にブランド管理の方向性を定め、適正な運用がなされる様、取り組んで参ります。
  畜産振興については、ブロイラーは増羽傾向に有るものの、乳牛・和牛・養豚数は減少傾向にあります。
生産頭数の増加と高品質の畜産物は産地として認識されるには必要な条件であり、その為の支援については時勢に即した支援とするため、見直しを加え取り組んで参ります。
  林業振興については、新年度から森林環境譲与税の交付が始まる事から、民有林の所有者に意識調査を行い方向性を定めて行きたいと考えております。
  商工振興につきましては、今年1月、3月に実施のプレミアム商品券は総額2千5百万円で、新年度上半期までが事業期間となっており、商工業者の知恵と工夫により、その効果を充分に引き出すべく商工会と連携して参ります。また、6万食を目前としている、ガリステごはんは田子町の観光開発の起爆剤となり、多くの商工業者にもビジネスの新しい可能性について参考となるものであります。食の観光から、魅力的な商品、魅力的な風土・文化、魅力的な人を大いに売り出して、訪れる方々に「来て良かった」「また来たい」と思って頂きながら、所得に結びつく仕掛けを、関係各位と知恵を出し合い、推進して参ります。

  次に6次産業化の推進につきましては、「力強く継続・発展する産業」を目指して取り組んでおり、新年度に於いても、持続・育成・創出・改善をキーワードに展開して参ります。特に、道の駅の実現には、多くの方々のご理解とご協力が必要であり、持続可能な農業、自信と誇り、おもてなしの思いに溢れた田子町の象徴として成功させたい仕組みであるため、重点的に取り組んで参ります。

教育について

 学校・家庭・地域が連携して子どもの豊かな心、確かな学力と健やかな体を育み、郷土の自然・歴史・文化に親しみ、意欲と実現力に溢れた人財を輩出しながら、様々な交流を通じて「共に学び夢と絆を育む町」を目指して参ります。

  学校等教育については、幼保・小中高までの連携のもと、この期間に、期待すべき知育、徳育、体育を国・県の教育方針に基づき推進する他、田子町や地域・家庭の現状や課題を知り、解決への考察を促しながら、我が町の「たから」「誇り」への理解と、地域活動への参画し、体験から学ぶなどの「地元学」を更に充実して行きたいと考えております。この事により、ふる里を理解し、愛郷と家族との強い絆、篤い友情と報恩感謝の思いを持ち、逞しく生きる力を持つ「ひとづくり」に努めて参ります。 推進に向けては、教育委員会と関係者により組織されている「次代の子どもの教育環境を考える懇話会」での検討及び方針を参考としながら、各課で行う事業推進での展開を主として取り組んで参ります。
  更に、子供達を取り巻く環境の多様化に伴い、SOSの小さなシグナルの発見や迅速・的確な対応を行う為、関係各課のネットワーク化を検討・推進して参ります。
  スキルアップへの取り組みとしましては、英語検定等、各種検定料の助成、外部講師を招いての英語塾の実施等、英語力のさらなる強化に努め、アメリカギルロイ市との交流などの国際交流を通じて、子ども達のやる気、気づき、意欲を引き出し、力強く歩む事の出来る人財育成に向けた支援を実施して参ります。
  田子高校支援につきましては、前述の地元学の観点からも、これまでの支援を行いつつ、今年で3回目となる東京神楽坂商店街での郷土芸能部による公演についても、派遣する高校生・ご協力いただけるOB・OGや田子町ゆかりの方々には故郷を感じ誇りとして頂ける様、また首都圏の方々には田子町の伝統文化を届ける機会として、実施したいと考えております。
  次に、社会教育関連では、町民がスポーツ・文化に親しみ、感性に満ちあふれ、心身共に健康で活力ある毎日を心豊かに生活して頂く為に、体を動かす習慣づくりの推進、文化・芸能活動の推進など、スポーツ・文化の各団体への支援や公民館講座の充実を図って参ります。具体的には、チャレンジデー参加率85%の達成や、盛岡南部藩の礎を築いた田子に深いゆかりのある殿様「南部信直・利直」歴史講座を開催して参ります。

保健・医療・福祉について

 すべての町民が健康に、且つ安心して、生きがいに満ちた暮らしが出来る「まちづくり」を目指すにあたり、保健・医療・福祉の充実はとても重要であります。

  せせらぎの郷、地域包括支援課では、全世代を対象とした包括ケアシステムを支えるための部署を新たに設け、生活環境や子育て、心や体の病気など、広い分野を対象とした相談業務を進めており、その相談件数は12月までの9ヶ月間で46件でありました。今後も、悩み事を抱える方々に寄り添い、改善への方向性を見いだせるよう、病院や介護福祉施設、社会福祉協議会や地域団体の他、専門機関などと連携を図り、相談業務の更なる充実に努めて参ります。
  また、高齢者夫婦や独居世帯の増加により高齢者の生活不安、介護や病後対応など、高齢者を取り巻く環境は厳しさを増しているものと思われます。
  見守り体制の充実やサロンの開催、老人センターや配食サービスなどの活用、居住サービスや社会福祉協議会と連動した諸活動により、生き甲斐を持ちながら穏やかに過ごすことが出来る様、また全ての町民が健やかに暮らせる様に関係各課の連携とネットワーク化を図って参ります。これを推し進めるため、保険・医療・福祉推進協議会を始め各種協議会の活発な活動を進めて参ります。
  特定健診の実施については、がん検診受診率の向上や、健診を定期的に受けていない方々への呼びかけを強化し、病気の早期発見と健康チェックを奨励して参ります。更に、国民健康保険以外の保険対応の方々にも健康診断を奨励し、町民の健康管理、健康増進、健康回復を図り、短命県返上と健康長寿を目指し、取り組んで参ります。

 その他の取り組みについて

 少子化の著しい我が町にとって、緩やかな人口減少としながら、結婚に希望を持ち、出産から子育てに至る過程で切れ目の無い支援を行うことで、住居として或いは子育ての場所として選ばれる田子町を目指すと共に、人口構成比率の改善を図り、持続可能な田子町とするための適切な支援を実施して参ります。
  更に、地域おこし協力隊の採用や農業次世代人材投資事業の活用による若者の農業参入、経営者や事業後継者育成の創業実践塾の開催、お試し住宅を活用しての移住定住体験、町の諸施設を活用した合宿・研修誘致による田子町体験などを推進し、定住移住人口の増加、交流人口や関係人口の増加を図って参ります。

  交通安全対策では、昨年12月1日に、交通死亡事故ゼロ1,864日の歴代最長記録を達成しました。今後は、「交通死亡事故ゼロ2,290(にんにく)日」を目指して、交通安全協会や交通指導隊、交通安全母の会及び学校、地域住民の皆様と力を合わせ交通事故防止活動や交通違反の防止、高齢者の運転免許自主返納活動等に取り組んで参ります。
  また、特殊詐欺を始め巧妙化する犯罪は、決して対岸の火事ではありません。三戸警察署や防犯協会、防犯指導隊や地域住民の皆様と共に、情報の共有と被害防止の為に取り組んで参ります。

  安全安心な地域づくりのためには、助け合い、支え合う、地域の総合的な消防防災体制が必要であります。一人ひとりが無事に避難し、互いに助け合い、確かな情報を受発信できる「自主防災組織」の結成を推し進めております。30年度には3団体が新たに結成され、全体で22団体、カバー世帯率67.6%となっております。今後も自治会総会等の様々な場面で説明会を行い、31年度3団体以上の結成を目標に取り組んで参ります。
  また、昨年9月に発生した北海道胆振東部地震の被災地に対し、避難所運営支援のため職員4名を派遣致しました。この派遣により得られた貴重な経験と知識を、災害発生時のスムーズな避難所開設・運営に活かすと共に様々な災害を想定し、自主防災組織の皆さま、消防団や防災関係機関と連携した図上訓練や実働訓練を実施するなど、町防災機能の向上と危機管理体制の強化を図って参ります。

  平成31年度には5回の選挙が予定されております。多くの方々のご意見が町の発展につながるよう投票率の向上に努めて参ります。
  主な取り組みとしましては、期日前投票所を役場と上郷公民館の2箇所で実施し、町民が投票しやすい環境づくりに努めます。また、期日前投票期間において、投票所までの移動が困難な高齢者等の方々につきましては、自宅から期日前投票所までを送迎をする事により、投票機会の増加を図る移動支援を実施いたしますので、多くの方々にご利用して頂きたいと考えております。

  建設関連では、新年度に於いて、橋梁の長寿命化の為の補修工事を順次進めており、これに伴い通行止めの期間が発生致します。向山橋、宮野獅々内線1号橋、新田橋の通行には制限が設けられますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

  最後になりますが、仮称世紀越えトンネルにつきましては、これまでの活動を通して田子町、鹿角市、両市町の住民を始め、多くの方の理解が得られ、事業化への機運が高まってきたものと感じております。
  また、青森、秋田両県では、路線の現状調査も開始されており、今後においては、議会並びに町民一丸となり、早期事業化に向けて、なお一層取り組んで参ります。特に、新年度に於いては、建設による中長期的な地域の生産性、安全性の向上、生活環境改善などのストック効果の検討に着手し、関係市町村との情報交換に努めて参ります。

  以上 、平成31年度の主な取り組みについてご紹介致しました。
  「役場は町民の役に立つ場所」である事、「通いやすく、親しまれる役場」となる様、職員一同日々再確認しながら職務に励んで参ります。
 

         田子町長 山 本 晴 美