本年1月15日から、町長就任3期目をスタートいたしました。議員各位をはじめ町民の皆様から、温かいご支援と多くの励ましの言葉を賜り心から感謝を申し上げます。
 今後も、掲げた公約の実行・実現に向け最大限の努力を傾けつつ、安定し持続性のある行政運営と、不安要素を一つ一つ取り除き、安心して生活出来るまちづくりに、そして、将来に向け、更に生き甲斐とやり甲斐に満ちた町民活動が展開される様、各般にわたる行政力の向上と政策の推進に、まい進していく所存であります。

 特に町の方向性を「躍動する町」とし、「後継者に選ばれ」「観光客に選ばれ」「消費者に選ばれる」田子町を目指し、「選ばれる田子町」を政策展開して参ります。そして、交流人口・関係人口・応援人口を増加させ、強い産業のもと、町民各位がそれぞれの役割を担うことで、少ない人口でも存続し続ける田子町を目指して参りたいと考えております。
  今後に於きましても、ご理解ご協力をお願い致します。

 本年は、町の最上位計画である「第六次田子町総合計画」の五年目の年となります。基本理念である「人が輝き まちが輝く 活力と笑顔あふれるまち」の実現を目指し、一人ひとりが輝き「住んでよかった」「住み続けたい」と思える魅力ある「ふるさと田子」を創るため、町民の皆様と共に知恵と力を出し合い、町民と行政の「協働」の仕組みでまちづくりを進めて参りたいと存じます。
 また、人口減少や地域経済等の最重要課題の解決に取り組む「田子町まち・ひと・しごと創生総合戦略」は第二期計画のスタートの年となります。これまで展開された施策の進捗状況、効果の検証、分析を行い、人口減少及び少子高齢化への対応策となる「魅力あふれるしごとづくり」、「みんなが住み続けたいまちづくり」、「結婚から始まる子育て総合支援」、「町民だれもが活躍できる社会づくり」の実現に向け、より効果的な事業を展開して参ります。

 それでは、令和2年度施策の概要について、新たに着手する事務事業並びに特に重点を置いて実施する事業について、四つの視点から申し述べさせて頂きます。 

産業振興関連について

 産業振興につきましては、上位計画である「総合計画」に位置付けられた政策及び重点施策等を踏まえ「1次産業の強化」、「町の商品のPRと販路拡大」、「交流人口・関係人口の増加」を強力に推し進め、1次産業である、農業、畜産業、林業では現状の六十六億円の生産額を五年後には九十九億円を目指して、また、2次3次産業では現状の四十八億円の生産額を百億円を目指して、各種支援策を展開して参ります。

 具体的には、1次産業分野では、主な取組としまして、農業振興につきましては、野菜等の生産力強化として、農業用機械やパイプハウスの設備導入支援、生分解性マルチの導入推進を図ることにより、環境に優しい農業を更に推進して参ります。
 また、ドローンパイロット育成やICTなどを活用して農業労働力軽減と人材確保を目的とした新事業を計画しております。
 更に、田子町の農業が永続的な産業としていくためには、経営の高収益化や安定化を図ることが重要であり、そのために機械の共同化や集落営農などの集団化に向けた協議を進めて参りたいと考えております。

 そして、当町の大きな財産である「たっこにんにく」についてですが、引き続き増反や省力化のための支援の他、美六姫につきましては、昨年十月に立ち上げた「美六姫生産者の会」と共に、品種特性の把握に努め、より良い品質の美六姫の生産と出荷・販売体制を構築して参ります。
 美六姫の役割は、「たっこにんにく」の更なるブランド力を向上させることでありますので、皆さまに愛される美六姫になるよう努力して参ります。

 林業への取り組みにつきましては、国・県をはじめ、三八地方森林組合や町林業再生協議会との連携をさらに深め、新年度においては、森林組合等の協力を頂きながら民有林意向調査を実施した上で、町が管理すべき民有林を含めた町有林整備計画を策定し、継続的な事業を展開していくと共に、森林環境譲与税の活用も検討して参ります。
 畜産振興については、田子牛産地形成事業の実施により、肉用牛の出荷頭数も増加し、更に、田子牛の肥育技術が向上したことにより、上物率も高まってきております。本事業につきましては、一定の成果も見えてきたことから、今後は若手農家を中心に経営と実践の両面を学ぶ場を作り、人材育成に重点を置いた見直しを行って参ります。

 2次3次産業分野では、商工振興への取り組みについてでありますが、人材育成、経営知識の習得を目的とした創業実践塾や経営計画などに応じた個別相談を通して創業者をサポートするほか、新たな商品開発、販路拡大にチャレンジする取り組みについて支援して参ります。 
 また、地域商業活性化支援事業として、プレミアム商品券の発行などにより地域商店街の活性化に向けて支援して参ります。

 観光振興につきましては、令和元年度から国の農泊事業を活用して、環十和田湖ゲートウェイ構想推進のため、施設整備事業を活用しながら滞在型観光交流を可能とし、十和田湖の南側の地域である各自治体との連携を図りながら、新たな地域の魅力を発信し、関係人口と交流人口の拡大に努めて参ります。
 6次産業分野では、平成30年3月に策定した田子町6次産業化推進戦略に掲げております取組方針「強い産業づくり」をもとに、当町産業の基軸である農業を持続し、発展させていくため、生産・加工・流通・販売までの仕組みづくりに取り組んでおります。
 引き続き、昨年新たに結成されました産直団体「たっこ産直友の会」が主体となり、町及び一般財団法人田子町にんにく国際交流協会をはじめ、農商工関係団体等との連携・協力により、たっこにんにくを主力とする地元農産物や加工品など、販売を通じて、町の商品力アップを図りつつ、自立可能な運営団体となり得るよう、育成・サポートを行い、役割分担を明確化し、道の駅実現に向けた実証的取組を進めて参ります。
 新年度の新たな実証実験としては、田子町農産物直売所「タッコ・ファーマーズ・マーケット」を拠点に、農産物等の出荷品目及び販売売上高の増加はもちろんのこと、現状課題のひとつである高齢の生産者が抱える運搬負担軽減を図るため、町と生産者団体が一体となり農産物等の集荷体制を構築して参ります。

 

教育について

 学校・家庭・地域が連携して子どもの豊かな心、確かな学力と健やかな体を育み、郷土の自然・歴史・文化に親しみ、意欲と実現力に溢れた人財を輩出しながら、様々な交流を通じて「共に学び夢と絆を育む町」を目指して参ります。

 学校教育については、本年は小学校で新しい学習指導要領がスタートします。本学習指導要領は学校での学びが子供たちの「生きる力」となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしいとの願いが込められております。目指すのは、社会に開かれた教育課程の実現であり、保護者や地域の皆様と共によりよい社会を創ることを目標としていることから、地域活動への参画や体験を通して学ぶ「地域学」をさらに充実して行きたいと考えております。この事により、ふるさとを理解し、愛郷と家族との強い絆、篤い友情と報恩感謝の思いを持ち、逞しく生きる力を持つ「ひとづくり」に努めて参ります。
 推進に向けては、教育委員会や関係者等と連携を密にし、地域の「たから」である子供たちが、これからの変化する社会の中で、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え行動していけるような「生きる力」を身に付け、多様化する社会を生き抜く人財育成に向けた支援を実施して参ります。

 田子高校支援につきましては、令和2年度から募集停止とはなりますが、現在いる生徒の安全安心を考慮し、また前述の地域学の観点からも、これまで同様の支援を継続して参ります。郷土芸能部は、今年8月に高知県で開催される全国高等学校総合文化祭への出場が決定しており、全国の舞台で田子町の伝統文化を届ける良い機会として、出場経費の支援を実施したいと考えております。
 なお、田子高校の募集停止を受け、令和2年度に高校等へ入学する世帯に対し、入学時の経済的負担の軽減と、地域への愛着心の醸成を目的に、高校入学祝い金事業を拡充して実施致します。

 次に、社会教育関連では、町民がスポーツ・文化に親しみ、感性に満ちあふれ、心身共に健康で活力ある毎日を心豊かに生活して頂く為に、体を動かす習慣づくりの推進、文化・芸術活動の推進など、スポーツ・文化の各団体への支援や公民館講座等の充実を図って参ります。今年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。スポーツへの関心が高まる機会を的確に捉え、健康づくり、地域の融和、防災意識・知識の向上を主眼に、町民の皆様、関係機関と連携して各種事業に取り組んで参ります。

保健・医療・福祉について

 すべての町民が健康に、且つ安心して、生きがいに満ちた暮らしが出来る「まちづくり」を目指すにあたり、保健・医療・福祉の充実はとても重要であります。
 
 せせらぎの郷、地域包括支援課では、全世代を対象とした包括ケアシステムを支えるための相談窓口を開設しており、介護や通院、生活環境や子育て、心や体の病気など、幅広い世代の方からご利用いただいております。
 今後も、関係機関や施設、専門員と連携しながら、悩み事を抱える町民に寄り添い、改善への方向性を見いだせるよう、努めて参ります。
 また、高齢者夫婦や独居世帯の増加により高齢者の生活不安、介護や病後対応など、高齢者を取り巻く環境は厳しさを増しているものと思われます。
 今後も、見守り体制の充実や地域でのサロン活動を通じ、高齢になっても生き甲斐を持ちながら、住み慣れた地域で過ごし続けることが出来る様、また全ての町民が健やかに暮らせる様に、地域の団体との連携を深め、ネットワーク化を図って参ります。
 町民の健康増進につきましては、健康指導や食生活の改善により、自分自身で健康づくりに取り組む姿勢を育むこと、さらに働き盛り世代への生活習慣病対策などの充実を図るほか、全町民の健診結果を蓄積管理するためのシステムの導入に合わせ、町内の事業所などと連携し、健診受診データの集積を進めながら、勉強会の開催や重症化予防の指導を行うなど、病気の早期発見、健康寿命の延伸を図って参ります。
 また、国保特定健診の受診率につきましては、5年以内の70%越えを目標に掲げ、推進して参ります。

 その他の取り組みについて

 少子化の著しい我が町にとって、緩やかな人口減少としながら、結婚に希望を持ち、出産から子育てに至る過程で切れ目の無い支援を行うことで、住居として或いは子育ての場所として選ばれる田子町を目指すと共に、人口構成比率の改善を図り、持続可能な田子町とするための適切な支援を実施して参ります。
 特に、これまでの子育て支援の中の「結婚と妊娠」支援の隙間を埋めるべく、県の事業と組み合わせた不妊治療助成事業を実施致します。これにより、子どもを授かることができず悩む夫婦の精神的負担・経済的負担の軽減を図って参ります。
 また、子ども医療費の助成に関しましては、これまで小学生から中学生を対象とし、高校生においては田子高校に在学する町内に住所を有する生徒のみを対象としておりましたが、助成枠を拡大し、18歳までの町内に住所を有する高校生までを対象とする事で、更なる保護者の負担軽減を図って参ります。

  交通安全対策では、今年1月31日に、交通死亡事故ゼロ2,290日を達成しました。今後は、「交通死亡事故ゼロ3,690(みろく)日」を目指して、交通安全協会や交通指導隊、交通安全母の会及び学校、地域住民の皆様と力を合わせ交通事故防止活動や交通違反の防止、高齢者の運転免許自主返納活動等に取り組んで参ります。
 また、特殊詐欺を始め巧妙化する犯罪は、決して対岸の火事ではありません。三戸警察署や防犯協会、防犯指導隊や地域住民の皆様と共に、情報の共有と被害防止の為に取り組んで参ります。

 地域の安全安心を守るためには、助け合い、支え合う、総合的な危機管理体制の強化が必要であります。
 そのために、一人ひとりが無事に避難し、互いに助け合い、確かな情報を受発信できる「自主防災組織」の結成を推し進めておりますが、現在23団体が結成し、カバー世帯率71.1%となっており、今後も新たな結成を促すとともに、自主防災組織としての活動についても支援して参ります。
 また、「防災士資格取得」に支援を行い、地域の防災リーダー育成にも積極的に取り組み、地域の防災体制の充実に取り組んで参ります。その他に、現在あるハザードマップの見直しを行い、大雨や大地震における危険箇所を再確認し、平時からの備えと災害発生時にスムーズな避難行動がとれるよう活用して参ります。

  田子町の長い歴史と人々の生活により育まれた沢山の美しい資源や景観、伝統、文化を守り継承し、これらの地域資源を活かし、自立したまちづくりを推進するため、具体的な行動計画となる「美しいまちづくり推進計画」を策定し、「町民」と「行政」による魅力ある希望にあふれる協働のまちづくり活動をさらに進めて参ります。

 建設関連では、新年度に於いても、道路の舗装や橋梁の長寿命化対策工事を順次進め、舗装の欠損による通行障害、橋の破損による長期間の通行止めや落橋による孤立集落発生の防止を図り、安心・安全な通行の確保に努めて参ります。
 仮称世紀越えトンネルにつきましては、これまでの活動を通して田子町、鹿角市、両市町の住民を始め、多くの方の理解が得られ、事業化への機運が高まってきたものと感じております。
 また、青森、秋田両県では、路線の現状調査も継続されており、今後においても、議会並びに町民一丸となり、早期事業化に向けて、なお一層取り組んで参ります。
 

 以上 、令和2年度の主な取り組みについてご紹介致しました。
 「役場は町民の役に立つ場所」である事、「通いやすく、親しまれる役場」となる様、職員一同日々再確認しながら職務に励んで参ります。

 

         田子町長 山 本 晴 美