○田子町美しいまちづくり条例

平成二十六年九月十二日

条例第十七号

前文

私たちは、みどり豊かな山々や清らかな川など恵まれた自然とともに生活をしてきました。先人の努力によって受け継いできたこのみどり豊かな自然環境は、かけがえのない共有の財産であり、これらを次世代に引き継いでいくことは、私たちの願いであり責務です。

しかし、近年の経済活動の進展に伴い、廃棄物などの不法投棄や放置など自然環境に影響をおよぼすことが増加してきました。ひとたび廃棄物などの不法投棄などにより環境が汚染されると、その原状回復と環境の再生には多大な時間や労苦が必要であることを、過去の事案から今日に至る過程において私たちは学びました。この教訓を生かし、美しいまちづくりを次世代に伝えていく必要があります。

ここに私たちは、田子町のみどり豊かな自然環境が、かけがえのない共有の財産であることを認識し、恵み豊かな美しいまちにするため、この条例を定めます。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、自然の恵みに感謝し、人と環境が調和した健康で安全かつ快適な生活を営むことができる郷土を次世代に引き継ぐため、住民等、事業者、土地の所有者が相互に町と協働して、美しいまちづくりのための取組を推進することにより、生活環境の向上を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号の定めるところによるほか、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)の例による。

 住民等 町内に居住し、又は滞在し、若しくは町内を通過する個人をいう。

 事業者 町内で事業活動を行う法人又は個人をいう。

 土地の所有者 町内の土地の所有者、占有者又は管理者をいう。

 飼い主 犬などの愛玩動物を所有し、又は飼養管理している個人、法人及び団体をいう。

(住民等の責務)

第三条 住民等は、日常生活において居住し、又は滞在し、若しくは通過する地域の環境保全及び環境美化に努めるものとする。

2 住民等は、環境美化の促進を図るため、地域における清掃等の実践活動に自主的に参加するよう努めるものとする。

3 住民等は、環境美化の促進を図るため、町が実施する施策に協力するものとする。

(事業者の責務)

第四条 事業者は、事業活動を行うにあたっては、当該事業所等及びその周辺において環境保全及び環境美化に努めるものとする。

2 事業者は、その事業活動に伴って生ずる一切の廃棄物の不法投棄又は放置並びに散乱を防止するとともに、再資源化を行うなどの措置を講じるものとする。

3 事業者は、当該事業所等及びその周辺において清掃活動に努めるものとする。

4 事業者は、町が実施する廃棄物の不法投棄又は放置並びに散乱を防止する施策に協力するものとする。

(土地所有者の責務)

第五条 土地の所有者は、その所有し、占有し、又は管理する土地の環境美化に努め、廃棄物が捨てられないようにするための措置を講じ、また、除草を行うなど雑草類の繁茂を防止するよう努めなければならない。

2 土地の所有者は、町が実施する環境美化を促進する施策に協力するものとする。

(町の責務)

第六条 町は、次に掲げる事項について必要な施策を講じるものとする。

 美しいまちづくりの推進に関すること。

 廃棄物などの不法投棄、放置及び散乱並びにふん害及び雑草類の繁茂の防止に関すること。

 環境保全及び環境美化を促進する教育、学習及び啓発に関すること。

2 町は、前項の施策を推進するため、住民等、事業者及び関係する者に対し必要な助言及び協力等を要請することができる。

第二章 環境保全

(資源の循環的な利用等の推進)

第七条 町は、環境への負荷の低減を図るため、住民等及び事業者による廃棄物の適正処理が促進されるように、必要な措置を講じるものとする。

2 町は、環境への負荷の低減を図るため、廃棄物の減量及び資源の循環的な利用が促進されるように、必要な措置を講じるものとする。

3 町は、再生資源その他環境への負荷の低減に資する製品、原材料、役務等の利用が促進されるように、必要な措置を講じるものとする。

(投棄及び焼却の禁止)

第八条 法第十六条の規定に基づき、住民等、事業者及び土地の所有者は、自己又は他人の土地に廃棄物を投棄し、又は放置してはならない。

2 法第十六条の二の規定に基づき、住民等、事業者及び土地の所有者は、自己又は他人の土地で、廃棄物を焼却してはならない。

(環境保全型農業の推進)

第九条 美しいまちづくりを推進し、生活環境の向上を図るために、農地を所有し、又は農地を貸借している住民等及び事業者は、農地が有する環境の保全に資する多様な機能を維持するとともに、化学肥料及び農薬の適正な使用等環境への負荷を低減する営農活動を促進するものとする。

(持続可能な林業の推進)

第十条 山林を所有する住民等及び事業者は、森林が有する多面的な機能を維持し、環境保全と持続可能な営林活動をするため、伐採跡地の植林、適正な保育管理及び除間伐の実施を促進するものとする。

(住民等の自発的な活動の推進)

第十一条 町は、住民等、事業者又はこれらの者で組織する民間の団体が自発的に行う緑化活動、環境美化活動、再生資源の回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講じるものとする。

第三章 環境美化

(ごみ集積所等の清潔の保持)

第十二条 住民等は、ごみ集積所等の清潔の保持のため、ごみ袋の破損により家庭ごみの散乱並びに汚水の漏えいがないように排出するものとする。

2 住民等は、ごみ集積所等及びその周辺の衛生管理に努めるものとする。

(喫煙の遵守事項)

第十三条 喫煙する者は、歩行中に喫煙し、又は火のついたたばこを所持しないように努めるものとする。

2 たばこの吸い殻入れが設置されていない場所で喫煙をする者は、吸い殻を携帯用吸い殻入れに収納するなどし、これを持ち帰り適切に処理するものとする。

3 たばこを販売する小売業者は、たばこの吸い殻の散乱防止について、消費者に対する啓発に努めるものとする。

(飼い主の遵守事項)

第十四条 飼い主は、犬などの愛玩動物が近隣住民の生活環境を害さないようふん害の防止に努めなければならない。

2 犬の飼い主は、犬を連れて歩くときは必ず綱等でつなぐとともに、ふんを処理するための用具等を携行するものとする。

3 犬の飼い主は、犬が公共の場所及び自己又は他人の土地でふんをしたときは、直ちに回収し適切に処理しなければならない。

(自動販売機の適正管理)

第十五条 飲食料の空き缶、空きびん及びペットボトルなどの容器の投棄、放置及び散乱を防止するため、自動販売機により飲食料を販売する者は、当該自動販売機の設置場所に回収容器を設置し、これを適正に管理するものとする。

(環境美化の日)

第十六条 町は、地域における環境美化について、住民等及び事業者の関心と理解を深めるため、環境美化の日を設けることができる。

2 環境美化の日は、町長が別に定める。

(環境美化推進員)

第十七条 町は、廃棄物の不法投棄、放置及び散乱防止並びに地域の環境美化活動の推進を図り、その取り組みを見守るため住民からなる環境美化推進員を委嘱することができる。

2 環境美化推進員の組織及び運営に関する事項は、町長が別に定める。

第四章 雑則

(通報)

第十八条 住民等及び事業者は、第八条に規定する禁止行為を行っている者、又はその事象を発見した場合は、遅滞なくその旨を町長に通報するよう努めるものとする。

2 町長は、前項の通報を受けた場合において必要があると認めたときは、適切な措置を講じるものとする。

(立入調査)

第十九条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、職員に、廃棄物などが不法投棄又は放置並びに散乱している場所若しくは雑草の繁茂又はふん害の場所に立ち入らせ、必要な調査をさせることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第一項に規定する立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(指導)

第二十条 町長は、住民等、事業者及び土地の所有者に対し、廃棄物などの不法投棄、放置及び散乱並びにふん害及び雑草類の繁茂の防止をする上で必要な指導を行うことができる。

(委任)

第二十一条 この条例の施行に関し、必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成二十六年十月一日から施行する。

(田子町廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正)

2 田子町廃棄物の処理及び清掃に関する条例(平成九年田子町条例第一号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(田子町廃棄物減量等推進員設置要綱の廃止)

3 田子町廃棄物減量等推進員設置要綱は、廃止する。

田子町美しいまちづくり条例

平成26年9月12日 条例第17号

(平成26年10月1日施行)