田子町の農産物等及び水道水源の安全性について


農作物等のダイオキシン類分析調査の結果について青森県の調査結果
 

青森県が実施している田子町で生産された農畜産物等におけるダイオキシン類毒性当量調査結果は次のとおりです。ここでの毒性当量数値は、一般的に公表されているように、検出下限未満の測定値は0(ゼロ)として毒性当量を算出した数値です。
 なお、平成25年2月4日青森県発表の平成24年度分析結果では、「国が実施し公表している調査結果などと比較して、十分に低い値でした。」となっています。
(試料採取場所の「熊原川上流域」は、不法投棄の全く影響のない箇所での測定値です)


  水稲(平成25年産:平成25年10月7日検体採取)
  [検体1-熊原川側上流域の田] 0.00012 pg-TEQ/g-wet
[検体2-現場付近の田]     0.000074 pg-TEQ/g-wet
[検体3-熊原川下流域の田]  0.00012 pg-TEQ/g-wet
  比較参照(ダイオキシン類の食品中の規格基準は現在はない)
  平成21年2月農水省発表「平成19年度農水産物中のダイオキシン類実態調査の結果」の水稲(20検体)の平均値は 0.00075pg-TEQ/g-wet(最低値 0.000011 最高値 0.0031)

 

にんにく(平成25年産:平成25年7月5日検体採取)

  [検体1-熊原川側上流域の畑] 0.00010 pg-TEQ/g-wet
[検体2-現場付近の畑]          0.000049 pg-TEQ/g-wet
[検体3-熊原川下流域の畑]     0.000067 pg-TEQ/g-wet
  比較参照(ダイオキシン類の食品中の規格基準は現在はない)
  平成21年2月農水省発表「平成19年度農水産物中のダイオキシン類実態調査の結果」のにんにくの調査例はないが、農産物20品目の濃度範囲は 0.0000042~0.055pg-TEQ/g-wet

 

枝豆(平成25年産:平成25年8月29日検体採取)

  [検体1-熊原川側上流域の畑] 0.000047 pg-TEQ/g-wet
[検体2-現場付近の畑]        0.00014 pg-TEQ/g-wet
[検体3-熊原川下流域の畑]   0.000070 pg-TEQ/g-wet
  比較参照(ダイオキシン類の食品中の規格基準は現在はない)
 

環境省・農水省発表「平成14年度農用地土壌及び農作物に係るダイオキシン類実態調査の結果」の枝豆(2検体)の平均値は 0.0020pg-TEQ/g-wet(最低値 0.000098 最高値 0.0040)

   
  鶏卵(平成14年6月11日検体採取)
  [検体-鶏舎の場所:熊原川上流域(田子町大字山口)]   0.078pg-TEQ/g-wet
  比較参照(ダイオキシン類の食品中の規格基準は現在はない)
  平成15年6月農水省生産局発表「平成14年度畜産物及び農産物等に係るダイオキシン類実態調査結果」の鶏卵(10検体)の平均値は 0.066pg-TEQ/g-wet(最低値 0.009 最高値 0.138)

消費者の皆様へ
 

現在のところ、青森・岩手両県の調査では、事業場内では排水基準を上回る測定結果が出ており有害物質が現場内にあることは事実ですが、

①  周辺環境の水質検査の結果では、環境基準を満たし、下流域の周辺環境には汚染が広がっていない状況 と、その汚染が広がらないよう、青森県が汚染拡散防止対策として浸出水処理施設を平成17年5月に完成させ現在稼働し、また汚染拡散防止壁も平成19年6月に完成していること
現場西側(青森県側)約11ヘクタールの敷地には不法投棄物はありますが、それは田子町(全域で約242平方キロメートル、山手線内の面積の約4倍の広さ、大阪市よりやや広い面積)の一部の流域・地区内であり、町全体が汚染されているものではなく、不法投棄物の性状からは空中を飛散して広がるものではないこと
これまで田子町で生産された農産物のダイオキシン類分析調査などにおいても、異常が見られないことなどから、田子町内の生活環境やそこで生産された農産物等が汚染されているということは決してなく、安心していただきたい(米・にんにく・鶏卵・枝豆のダイオキシン類分析調査等からも)と考えております。

 


田子町の水道水源の安全性について
  田子町の水道水源は、すべて湧水で7箇所(1日湧水量5,821立方メートル)あります。そのうち事件現場に近い遠瀬水道原水(事件現場の近隣下流部1.5km地点の湧水、1日湧水量486立方メートル)については、現在水質基準を満たしていますが供給に余裕が十分あるため、念のために事件発覚直後から取水していません。なお、遠瀬水道原水については、青森県が周辺環境の水質モニタリング調査地点(ア-14、旧水源⑥ 遠瀬水源湧水)としても青森県が定期的に実施しており、その水質は環境基準を満たしています。
青森県水質調査結果を参照してください。
  新遠瀬水源について
  田子町にある7箇所の水源地のうち、現場に近い箇所としては上述の遠瀬水源地のほか新遠瀬水源地があります(不法投棄現場から約2km、1日湧水量442立方メートル)。この水源地(沢名:板の沢)は現場から尾根を隔ててあるものの、事件現場より取水地点の標高が低いためにその影響があるのではないかとの不安な声がありました。このため青森県が平成15年11月に不法投棄現場近くの沢水(沢名:和坂)がこの水源地に流れ込むかどうかを確認する調査を実施しました。調査は塩水を使った流水の追跡調査(トレーサー調査)と地質や地下水の経路を推定する高密度電気探査を実施し、その結果では、水源地への流入はないことが判明しています。この調査結果は平成16年3月27日に開催された第3回県境不法投棄現場原状回復対策推進協議会において報告されています。→第3回協議会議事録を参照して下さい。
 また、不法投棄現場近くの沢(沢名:和坂)の水質については、表流水(ア-13)及び地下水(ア-24)のモニタリング調査が定期的に行われており、これまでの調査結果ではいずれも環境基準を満たしています。→青森県水質調査結果を参照してください。
 さらに、八戸工業大学が循環型社会技術システム研究の一環で水質連続測定をこの新遠瀬水源地を含む数ヵ所で実施しており、電気伝導度などの項目をリアルタイムで測定を行っています。→八戸工業大学循環型社会技術システム研究センター 

 なお、田子町で実施している水道法に基づく新遠瀬水源の水道水質検査結果では、これまで全く水質に問題がありません。