漆掻き用具製作
呼び方:うるしかきようぐせいさく
種別:選定保存技術(工芸技術)
保持者名:中畑文利
選定年月日:1995年5月31日
解説:日本産漆は透明度、堅牢度等に優れ、漆芸の制作や漆工品等の保存修理に不可欠である。国は、「日本産漆生産・精製」の技術を選定保存技術に選定し、日本文化財漆協会を保存団体に認定して、漆の植栽等の事業に対し助成を行っている。
漆の採取には、漆樹を痛めず良質の漆を多く採取するため、特別に発達した漆掻き用具が使用されたきた。荒皮を剥【は】ぐための曲【まが】り鎌【がま】、漆液が出るよう樹幹に溝をつけるための掻【か】き鎌【がま】、漆液を採る掻【か】き箆【べら】、掻き採った漆を大きな桶に移し替えるときなどに使用する金属箆のゴクリ、最後の漆を採るときに荒皮を剥【む】くエグリ鎌などがその用具である。これらの用具は、掻き手の技術の特徴に応じ一本ずつ微妙に調整して鍛造・製作される。
漆掻き用具の制作は漆生産の減少とともに少なくなり、現在その技術者は一軒となっている。日本産漆は漆芸等の無形文化財の保存及び有形文化財(漆工品等)の保存修理に不可欠であり、その採取に欠かせない漆掻き用具制作技術の保存・伝承を図る必要がある。(文化庁HPより転載)
登録日: 2015年2月3日 /
更新日: 2018年12月21日