青森・岩手両県が実施する原状回復の実施計画

国の基本方針と両県の実施計画への同意第1回田子町県境不法投棄原状回復調査協議会開催
 平成16年1月21日、特措法第4条第4項の規定に基づき、岩手県が提出した「岩手・青森県境不法投棄事案(岩手エリア)における特定産業廃棄物に起因する支障の除去等の実施に関する計画案」及び青森県が実施した「青森・岩手県境不法投棄事案に係る特定支障除去等事業実施計画書」について、両計画が「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」(産廃特措法)第3条の規定に基づく「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成24年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本的な方針」(基本方針)に即して定められているかどうかとの観点からの審査の結果、環境大臣が両県の実施計画案に同意した。

国の財政支援の内容
 環境大臣が同意した実施計画に基づいて、両県が実施する特定支障除去等事業に要する経費に対して、次の財政支援が行われる。

補助
  (1) 有害産業廃棄物の処理に要する費用 1/2
  (2) その他の産業廃棄物の処理に要する費用 1/3
特例地方債
  (1) 地方負担の7割を起債措置
  (2) 起債金額の元利償還金の5割について交付税措置

 

青森県の支障の除去等事業の実施計画概要
廃棄物及び汚染土壌は全量撤去を基本
「特措法」の措置期間の平成24年度までに廃棄物及び汚染土壌を全量撤去することを基本
周辺環境への汚染拡散防止に十分に配慮し、汚染拡散防止措置を講ずる汚染拡散防止対策(平成16年度までに水処理施設、平成18年度までに汚染拡散防止壁の建設及び表面遮水)により、有害廃棄物からの浸出水による周辺環境への影響を防止するとともに、移し替えた約9万6千立方メートルの特別管理産業廃棄物を平成18年度までに撤去
岩手県の支障の除去等事業の実施計画概要
特定産業廃棄物は早期全量撤去
有害産業廃棄物の撤去を優先的かつ早期に実施-キャッピング工事などを施工し、必要な汚染拡散防止対策を講じた後、有害産業廃棄物等を平成20年度までに優先的に撤去、廃棄物を平成22年度までに撤去
汚染土壌は現位置浄化手法の導入も配慮しながら、最も合理的な手法により処理
汚染拡散防止対策-緊急対策としてキャッピングシート(遮水シート)、雨水集排水対策等を実施するとともに、処理中の対策として、掘削時汚染水の場外搬出処理、水処理施設の設置、鋼矢鉄による土留工等、集水機能を有する井戸の設置、地下水等の集排水機能を有した暗渠、集水エリアを考慮した表流水の貯留池の設置等の汚染拡散防止対策を講じる。また、長期的対策として県境を頂点として東側に次第に低くなるよう地形整形や地盤改良等を行う。
排出事業者の責任追及
 両県の行政代執行により原状回復を行う費用の財源補填として、原因者の求償は破産状態等から限界があり、排出事業者(把握数12,003社)の責任も併せて追及できるか両県で検討中です。
措置命令
原因者への措置命令のほか、平成14年8月に岩手県単独で1社に措置命令(撤去命令量 0.57トン)、平成15年6月以降平成17年9月までに両県で18社に措置命令(撤去命令量合計 610.095トン)がなされました。また、岩手県が単独で平成18年11月に初めての収集運搬業者への措置命令(1社、汚泥40.7トンの撤去)も行っています。
納付命令(青森県)・措置命令(岩手県)
平成17年10月からは、青森県においてはそれまで措置命令による廃棄物撤去を求めていましたが、県の行政代執行による撤去作業を計画的に進めるために、違反業者から撤去費用を徴収する納付命令によることとし、5社に納付命令(不法投棄量 75.0355トン、納付命令額2,979,951円)を行っています。一方これにより岩手県においては、単独で5社に措置命令(撤去命令量 75.0355トン)を行っています。

自主撤去 青森県 岩手県

原状回復に要する費用(平成15年度~平成24年度の10年間)
青森県の実施計画事業費概算 43,418百万円(うち廃棄物処理費 34,400百万円)
岩手県の実施計画事業費概算 22,067百万円(うち廃棄物除去費 17,667百万円) 
青森県及び岩手県の設置した協議会
 両県がそれぞれ実施する原状回復対策を進めるための合議機関として、平成15年7月に青森県では「県境不法投棄現場原状回復対策推進協議会」、岩手県では「青森・岩手県境不法投棄現場の原状回復対策協議会」を設置し、約2ヶ月に1回協議会が開催されています。田子町の代表委員は次のとおりです。なお、両協議会の詳細は各々両県にお問い合わせください。

青森県:県境不法投棄現場原状回復対策推進協議会
      山本 晴美(田子町長)
      澤口 博二(田子の声100人委員会事務局長)
      宇藤 安貴子(八戸農協女性部田子支部長)
   →青森県協議会設置要領・委員名簿・会議議事録など

   なお、この協議会委員が平成19年8月からそれまで5人であったのが2人(町長を除く)に減員されたことについて、平成19年7月23日に「青森県県境不法投棄現場原状回復対策推進協議会の住民代表委員について(増員の要請)」を文書で提出しています。
岩手県:青森・岩手県境不法投棄現場の原状回復対策協議会
      山本 晴美(田子町長)
      山本 わか(田子町Vic・ウーマン)(平成25年度~)
      中村 忠充(田子の声100人委員会会長)(~平成24年度)
   →岩手県協議会設置要領・委員名簿・会議議事録など